「明日晴れるように」と歌われるように、てるてる坊主を作って晴天を願うのは一般的ですね。
願いが叶った後、どのように対応すればいいのでしょうか?
この記事では、以下の内容を紹介します。
– てるてる坊主の由来
– てるてる坊主の簡単な製作方法
– 願いが叶った際の対応方法
– 処分方法
てるてる坊主の起源について
てるてる坊主の起源は、「掃晴娘(さおちんにゃん)」という中国の伝説に由来しています。
掃晴娘は、雨を払う力を持つとされる箒を持った少女の形をした紙人形です。
雨が長く続く際には、この掃晴娘を家の中に吊るす習慣がありました。
この風習は、晴娘という名の美しい少女の物語からきています。
ある年の梅雨の時期、北京が前例のない大雨に見舞われ、雨が止まない状況でした。
この雨は「東海龍王」が引き起こしており、彼は北京を水没させようとしていました。
晴娘は雨が止むことを強く願い、その願いが東海龍王に届くと、「妃となれば雨を止める」という返事がありました。
晴娘はその提案を受け入れ、天に昇って龍王の妃となり、その瞬間に雨は止みました。
晴娘の犠牲を称えて、人々は彼女を記念し、雨が降るたびに掃晴娘を吊るすようになりました。
この物語は平安時代に日本に伝わり、江戸時代に入ると広く知られるようになりました。
日本では「てり雛」「てりてり坊主」「てるてる法師」「てるてる坊主」「てれてれ法師」など、多くの名前で呼ばれ、雨を避けるための紙人形として愛されています。
掃晴娘が日本で坊主や法師の姿として定着したのには、以下の理由が挙げられています。
1. 日本では晴天を願う役割が伝統的に僧侶に任されていたため。
2. 頭が丸い僧侶に見える紙で作られた少女の人形が、僧侶の形として認識されたため。
3. 人々は僧侶の方が祈りの効果が高いと考えたからです。
さらに、紙人形が日本で白い布に包まれるようになった背景には、次のような伝説があります。
昔、連日の雨で苦しんでいた村の人々がいました。
ある殿様は、晴れをもたらすことで有名な僧侶に雨を止めるよう依頼しました。
しかし、雨が止まなかったため、失望した殿様は僧侶を処刑し、その首を白い布で包んで公開しました。
不思議なことに、その翌日には雨が止み、晴れ間が広がりました。
このような少し恐ろしい話が、てるてる坊主の形成に影響を与えたとされています。
てるてる坊主を掲げるベストな場所
てるてる坊主を飾る最適な場所は、太陽がよく見える南向きや東向きの窓辺、玄関、軒先です。
屋外に吊るす場合は雨に濡れないような場所を選び、雨が心配なら室内に設置するのが良いでしょう。
どの場所でも、太陽を見ることができる位置に吊るすのが理想的です。
てるてる坊主の顔を描く適切なタイミングとその理由
てるてる坊主を製作する際、顔を描かないのが伝統的な方法です。
「顔を描くと雨が降る」という言い伝えがあり、これは雨によって顔がにじみ、泣いているように見えることから、雨を呼び寄せるとされています。
顔を描くのは、願いが叶った後に行うのが通例です。
願いが叶ったら、喜びを形にして顔を描き、その後でてるてる坊主を処分します。
一方、願いが叶わなかった場合は、顔を描かずにそのまま処分することが伝統とされています。
てるてる坊主の正しい処分方法
てるてる坊主をそのままゴミ箱に捨てても問題がないのか気になりますよね。
てるてる坊主の効果があった場合となかった場合で対応が変わります。
それでは、詳しく説明していきますね。
晴れた日の後の対応
まず、てるてる坊主に顔を描きます。
伝統に従い、願いが叶ったてるてる坊主には、「わたしの願いを聞いたなら、甘いお酒をたっぷりと」という歌詞の通り、顔にお酒を振りかけます。
昔は、お酒を振りかけた後、川に流したり、燃やして感謝の意を示していました。
現在では、川に流したり自宅で燃やすことは推奨されていません。
その代わり、お酒を振りかけた後は、感謝を込めて小さな箱に入れ、お焚き上げに出すか、燃えるゴミとして処分する方法が望ましいです。
お焚き上げは物への感謝を表し、空へ帰す儀式とされています。
特に、お正月明けに行われる「どんど焼き」は、役目を終えたものをお焚き上げする良い機会です。
晴れなかった場合の処理
晴れなかった場合は、「それでも曇って泣いてたら、そなたの首をチョンと切るぞ」という歌の一節のように、象徴的に首を「切る」行動が伝えられています。
しかし、実際には、願いが叶わなかったことの象徴としててるてる坊主の頭を軽く叩きます。
これは実際に首を切るのではなく、失敗へのけじめとして行う行為です。
その後、同様に小さな箱に入れ、燃えるゴミとして適切に処分します。