秋の夜に輝く美しい月、特に十五夜は秋の象徴とも言えます。
本記事では、十五夜の意義や楽しみ方、さらに「中秋の名月」との違いについて詳しく解説します。
是非この情報をもとに、今年のお月見をさらに楽しんでみてください。
十五夜とは何か？2024年の予定日は？
十五夜（じゅうごや）とは一般に「秋に美しい満月が見られる夜」として知られています。
この認識は間違いなく正しいです。2024年の十五夜は新暦で9月17日頃に設定されていますが、十五夜は本来、毎月の月齢15日目の夜を指します。
このため、年には12回の十五夜が存在します。しかし、一般的には「十五夜＝秋に見られる美しい満月の夜」との認識が強く、主にこの意味で用いられています。
秋のお月見行事で特に重要視される十五夜は、「旧暦の8月15日の夜」を指します。
ここで疑問が生じるかもしれませんが、「本当に十五夜は毎回満月になるのか？」という問いに対して、月の満ち欠けの周期が約29.5日であるため、新月の日が月の初日である旧暦では「新月から15日目は満月」と考えられていました。
そのため、過去の暦では15日が満月であると記されていたことがあります。
「秋の十五夜＝名月」とされる理由には、ただ月が美しく見えるという主観的な理由だけでなく、科学的な根拠があります。
太陽と反対に、月は夏には低く、冬には高い位置にあります。
夏の高湿度で視界が悪くなるため月がくっきりと見えにくい一方で、秋には気温が下がり、湿度が低くなり、空気が澄むため、月が美しく見えるのです。
中秋の名月と十五夜の違いは何ですか？
中秋の名月と十五夜は、両者とも「秋に美しく輝く満月の夜」を指しますが、基本的には同じ現象を表しています。
中秋の名月は、特に旧暦の8月15日に見える月をさします。
「中秋」という言葉は、直訳すると「秋の中間」という意味があり、旧暦で秋とされる7月から9月の中間月である8月を指しています。
お月見の風習はどのように始まったのですか？
お月見の風習は9世紀に中国から日本に伝わりました。
この時代は日本で平安時代に当たり、初めは宮廷や貴族の間で行われるものでした。
彼らは月の美を詩や音楽で讃えながら、水面に映る月を愛でるなど、精緻な楽しみ方をしていました。
時が経つにつれて、この風習は江戸時代に入ると庶民の間にも広まり、月見を通じて次年の豊作を願う文化が形成されました。
秋の豊かな収穫に感謝を込めて、お月見団子や季節の食材、酒、ススキなどを供える習慣が根付きました。
現代では、お月見団子や季節の和菓子を気軽に楽しむことができ、これらは多くの店舗で販売されています。
月のうさぎが餅をつく伝説の起源
お月見といえばお月見団子以外にも、月とうさぎを思い浮かべる人も多いですね。
昔の人が月の表面の模様がうさぎが餅をついているように見えることから、そういったイメージが広がったのだと思っていましたが、意外にもこのイメージの起源は日本ではないようです。
この伝説は、月の暗い模様がうさぎの形に見えることから生まれました。
この物語は、その起源をインドの神話にまで遡ります。
日本では「今昔物語集」に記載された「月の兎」の話として知られており、その中で、空腹の神に食べ物を求められたうさぎが、自らを犠牲にして火に飛び込む姿が描かれています。
その神はうさぎの献身に感動し、その姿を永遠に月に刻みました。
一方、中国ではうさぎが月で薬をついているとされ、これは漢方薬を杵でつく過程に由来すると言われています。
日本に伝わると、この物語は餅つきに関連付けられました。
特に「望月（もちづき）」という言葉が「満月」と「餅月」と聞こえることから、うさぎが餅をついているという話が生まれ、これが秋の収穫を祝う行事と結びついたのでしょう。
これらの背景が組み合わさり、月を見るたびにこれらの伝説を思い出すことで、お月見がより楽しいものになります。
まとめ
十五夜と中秋の名月はどちらも旧暦の8月15日に見られる「秋の夜に輝く美しい満月」として知られています。
これは同時に、豊かな収穫に感謝し、今後の豊作を願う特別な時でもあります。
2024年の十五夜は9月17日頃に予定されています。
もし可能であれば、たとえビルの隙間からでも、その美しい夜空を一度見上げてみてください。
秋の長い夜に浮かぶ月の美しさが、あなたにも感じられるかもしれません。
今年の十五夜が晴れて、美しい月が見られることを願います。
